TOEIC Part7はTOEIC L&Rテストの中で最も難しいと言われています。多くの受験者にとって、時間が足りず解き終わらない、とても大変なパートです。しかし、問題の形式や内容を知り、対策することで得点を上げていくことも可能です。
Part7の出題傾向をしっかりと把握し、対策を立てていきましょう。
TOEIC Part7の全体像
まずはTOEIC Part7の問題数や時間配分について、概要をご紹介します。
TOEIC Part7の問題数と得点について
Part7は54問と、リーディングの問題では半数以上を占める、とても重要なパートです。得点に換算すると
TOEIC Part7の時間配分について
Part7の時間配分については、下記の表を参考にすると良いでしょう。
シングルパッセージ | 30分 |
ダブルパッセージ(3題) | 15分 |
トリプルパッセージ(2題) | 10分 |
リーディングにあてられる75分のうち、Part5,Part6で20分程度、Part7合計で55分程度を使うのがおすすめです。
もちろん、人によって特異なパートがありますのでPart5,6が得意な方はより多い時間をPart7に使うことができるかもしれません。
しかし、Part5,6が苦手だからと言って時間を使いすぎるのはお勧めしません。
なぜならPart7はリーディングの得点の半分以上を占める重要なパートだからです。
Part5,6で多少ミスしてしまっても、Part7で取り返すことは十分に可能なため、Part7にできるだけ時間を残しておくことがおすすめです。
TOEIC Part7の問題形式
シングルパッセージ問題の解き方
シングルパッセージとは、1つの文章を読んで解答する問題です。1つの文章に対して1~4問程度の問題が出題されます。
Part7の中で最も問題数が多く、29問はシングルパッセージの問題です。
ダブルパッセージ問題の解き方
ダブルパッセージとは、2つの文章を読んで解答する問題です。2つの文章に対して5問の問題が出題されます。
トリプルパッセージ問題の解き方
トリプルパッセージとは、3つの文章を読んで解答する問題です。3つの文章に対して5問の問題が出題されます。
TOEIC Part7 文章種類別の攻略方法
Part7ではメールや広告など、様々な長文を読んで解答する問題が用意されています。人により得意・不得意はありますが、それぞれの文章に応じた問題傾向を抑えておくことで解答しやすくなることも。
ここでは文章種類別の攻略方法をご紹介します。
メール(Email)
メールはPart7の中でも頻出といえます。仕事の用件を伝えるメールはもちろん、病院の予約や商品の注文など、様々な要件でメールの文章が出題されることがあります。
メールで特徴的なのは、文章の主題がはっきりしていること。ほとんどのメールでは冒頭部分にどのような内容を伝えるメールかのヒントが隠されています。
まずは冒頭部分でどのような内容のメールかを把握し、詳細をおさえていけると正解を選べるでしょう。
記事(Article)
記事もPart7に頻出の文章です。経済に関する新聞記事や、会社の人事の速報、とある町の工事計画など、トピックは多岐にわたります。
ウェブページ(Webpage)
著名人を紹介したり、健康に関する情報など、色々な情報が載っているウェブページが出題されることもあります。
広告(Advertisement)
広告では、会社や商品について、強みを訴求するような広告が出題されやすいです。
広告の問題では、商品の価格や性能について問う問題も多く出題されますので、紹介されている会社や商品についてはどのようなもので、どのような費用がかかるのかに注意して読んでおきましょう。
告知(notice)
大学での授業時間変更のお知らせや、工事のための道路閉鎖など、シチュエーションは様々です。
手紙(letter)
会社のプレス向けリリースの手紙や、医者の予約に関する手紙など、お知らせなどを伝える手紙の問題が出題されます。
チャット(text message)
以前はあまり出題されませんでしたが、近年ではチャット形式の文章を読む問題が出題されます。
問題形式別の解き方
ここまでPart7で出題される様々な種類の文章について見てきましたが、今度は問題形式についても見ていきましょう。
一言に長文問題と言っても、色々な問題形式があり、知っておくことで万全の対策ができるでしょう。
概要把握の問題
下記のような問題が出題されます。
“What is the purpose of this article?”
詳細把握の問題
下記のような問題が出題されます。
“Where will the company activity take place?””What is suggested about Mr.X?”
推測問題
下記のような問題が出題されます。
“What is suggested about Mr.X?”
語彙問題
下記のような問題が出題されます。
“The word “XXX” in paragraph Y, line Z, is closest in meaning to ○○?”
NOT問題
下記のような問題が出題されます。
“What is NOT mentioned as a feature of the product?”
書き手の意図推測問題
下記のような問題が出題されます。
“At 11:20 A.M., what does Mr.X mean wheb he writes “It’s up to you” ?”
文挿入問題
下記のような問題が出題されます。
“In which of the positions marked [1][2][3] and [4] does the following sentence best belong?”
TOEIC Part7の効率良い解き方とは?
Part7は非常に文章量が多く、しっかりと対策をしないと時間内に解き終わるのが難しいです。また、複雑な文章を読み解いて正解を選ばなければいけないため
集中力を持続させることも重要になってきます。ここでは、Part7を効率よく解く方法をご紹介します。
時間配分を必ず守る
TOEICのリーディングは時間との戦い。しっかりと1つ1つの問題にかける時間を決めて解くようにしましょう。
私の場合は、シングルパッセージであれば2~3分程度、ダブルパッセージ・トリプルパッセージは5分程度で解くことを心がけています。
仮に分からない問題があったとしても、一度飛ばすのがおすすめです。先に自分の分かる問題をすべて解いた後で、分からなかった問題を解くようにすることで答えられない問題を減らしましょう。
まずは問題から読む
Part7の解き方として文章から読むか問題文から読むかは議論が分かれるところですが、基本的には問題文から読むことがおすすめです。
なぜなら、先に問題を読むことでどのような内容の文章なのかが予測できたり、どこに注意して読み進めればいいのかが分かるからです。
まずはざっと問題文に一通り目を通し、解きやすそうな問題から手を付けていくと良いでしょう。
メールの宛名や補足などの細部にも気を遣う
Part7の意外な落とし穴は、メールの宛先や補足を間違ってしまうことです。例えば、手紙の場合差出人と受取人を逆にとらえてしまうと、適切に解答するのが難しくなってしまいます。
しっかりと”From:”や”To:”といった情報を読み取り状況を把握しましょう。
また、手紙以外にはカタログなどに出てくる割引情報なども狙われやすいところです。例えば50個以上購入すると20%オフ、夜19時以降は入場料が半額、などのように様々な条件で割引が行われるような文章が頻出します。
なかなか問題文を細部まで読み込む時間はないかもしれませんが、時間の限り詳細をつかむようにしていきましょう。
文章同士のつながりや、時間の経過を考慮する
これはダブルパッセージ・トリプルパッセージに言えることですが、複数の文章間でのつながりや時間経過による状況の変化に気を配ると高得点を獲得できるでしょう。
例えば、①商品の広告②口コミサイトでのレビュー のようなパッセージ構成だった場合、商品を買った人がレビューを書いている状況だと推測できます。
また、①メール②スケジュール③返信のメール のような場合はイベントの調整などでやりとりが行われている、と推測できます。
このように文章同士の関連性や、時間の経過による状況の変化を察知し、イメージを膨らませながら解答していくことが重要です。
TOEIC Part7の勉強方法
ここまでTOEIC Part7の対策方法や解き方について見てきましたが、普段からどのような勉強をしていれば良いのでしょうか。
長文問題の正答率を上げるための勉強方法について解説していきます。
文章の全体像をつかむ力をつける
長文問題で重要なのは、まずは大意をつかむこと。長文では冒頭の2~3文を読んでから、文章の内容や問題で問われそうな箇所をイメージするようにしましょう。
また、分からない単語があったとしてもあまり気にせず、文全体が言いたいことを読み取るようにしましょう。
文章の詳細を読み取る力をつける
先ほどの「文章の全体像をつかむ」とは逆ですが、詳細を把握することも重要です。文章の詳細は選択肢で問われることも多く、詳細を把握することは得点率を上げる大きな鍵となります。
まずは、文章の大意をつかむことが重要ですが、慣れてきたら詳細把握もしっかりと意識して文章を読み、取りこぼしをなくすようにしましょう。
一度読んでしっかりと理解する精読力を身につける
Part7を効率よく解くための鍵は、「返り読みをしない」ことに尽きます。「返り読み」とは、一度読んだ文章を何度も戻って読むことですが、これを減らすだけで大きな時間削減につながります。
よく、「読むスピードを上げろ」というようなTOEICの教材が多いですが、これはあまりおすすめできません。なぜなら、いかに長文を読むのが早くなっても、文章を的確に理解できなければ、何度も読み返す必要が出てきてしまうからです。
これでは短い制限時間内で問題を解ききることは難しいです。そこで、1度読んだ文章をしっかりと理解する「精読」をおすすめします。
選択肢のひっかけや問題の意図を理解する
Part7ではひっかけ問題が出題されたり、選択肢が複雑なこともありますが、問題には一定の傾向があります。
いきなり本番試験に挑むのではなく、事前に公式問題集などを解いておき、出題傾向を把握するようにしましょう。
5~6種類問題を解いておけば、どのような問題が出題されやすく、ひっかけに使われやすいのか、自分の中で目安がわかるようになってきます。
まとめ:高得点のコツはタイムマネジメントと精読力
ここまでPart7の問題傾向と対策、勉強方法について見てきました。
TOEIC Part7はリーディングテストの中では最難関と言われていますが、やった分だけ得点が伸びやすい分野でもあります。
まずは精読力をしっかりと鍛えて、的確に文章を読めるように訓練するとともに、タイムマネジメントにも気を付けて制限時間の壁を乗り越えていきましょう。
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