付帯状況とは?考え方やwith+O+Cの文法を徹底解説

付帯状況のwith文法・語法

英語の文法の中でも、大学入試に頻出し、実際に英語の文章でも使われることが多い「付帯状況」。苦手に感じる方も多いと思いますが、もとになる考え方を押さえていれば理解もしやすくなります。
今回は、そんな付帯状況について、実際の例文などを交えてご紹介します。

付帯状況の構造

「付帯状況」とは、分詞構文の一種で、副詞的に文の情報を補足する役割を果たします。付帯「状況」と言われるように、ある文章について、どういった状況(その時何をしていたのか、その状態になった原因は何か)でそれが起こったのか、というような情報を補足する使い方がされることが多いです。

では実際に、「付帯状況」が使われている例文を見てみましょう。例えば、下の文には付帯状況が使われています。

She is taking a shower singing a song.
(彼女は歌を歌いながらシャワーを浴びている。)

この文は、大きく2つの部分に分けることができます。1つ目は、前半の「She is taking a shower(彼女はシャワーを浴びている)」、2つ目は「singing a song(歌を歌いながら)」です。この文自体は、前半だけでも十分に成立しますが、後半の「〜ながら」という部分を加えることで、文を読んでいる人はその場の情報をより詳しく理解できます。

また、次のような文章はどうでしょう。

Having a cold, I took a day off
(風邪をひいたので、1日休みを取った。)

この文についても、「I took a day off」のみで文は完結しますが、そこに休む理由となった「having a cold」が加わることでより詳しい状況が明らかになっています。

このように、ある行動や状態に対して情報を付け加えるのが付帯状況の役割です。

付帯状況のwithの意味

付帯状況の中でも、「with」を使った表現はよく目にすることが多いです。withの使い方や意味について詳しく見ていきましょう。

まずは、下の例文を見てください。

He was playing the piano with his eyes closed.
(彼は目を閉じたまま、ピアノを弾いていた。)

この、with以下の「with his eyes closed」の部分が付帯状況にあたります。withの前だけを見ると、「彼はピアノを弾いていた」となり、普通の文章として成立しますが、その後ろに「with his eyes closed」を加えることで「彼は『目を閉じたまま』ピアノを弾いていた」という追加情報が加わっています。
このように、「with」以下で主語の細かい状況を補足することができるのです。
文法的には、「with + O + C」と言われることが多く、この文においてはO(目的語)は「his eyes」、C(補語)は「closed」にあたります。
第5文型を勉強した方ならお分かりかと思いますが、このOとCは主語と述語の関係になっており、「目が閉じられた状態」という意味を表しています。

では、この「with + O + C」が出てきたら、どのように訳せばいいのでしょうか。
大きく3つの意味に分けて解説していきます。

付帯状況:OがCしながら

先ほどの例文もこのタイプに分類されます。

He was playing the piano with his eyes closed.

この文章では「目を閉じた」状態でピアノを弾いていた、という状況を表すため、まさに「目を閉じたまま、目を閉じていながら」といった意味になります。
他にも「with his legs crossed(足を組んだまま)」や「with tears in his eyes(目に涙を浮かべて)」などはよく使われることがあるので覚えておきましょう。

条件:OがCならば

with+O+Cの部分が条件を表すような場合もあります。
例えば、下の例文を見てみましょう。

You must not cross the street with your eyes closed.
(目を閉じたまま、道路を渡ってはいけません。)

先ほどの付帯条件の訳し方だと、「目を閉じた状態で」というニュアンスになりますが、
より文の意味を詳細にとらえると、「目を閉じているならば、道路を渡ってはいけない(目をしっかりと開けていれば渡っても良い)」
というような解釈ができます。
このように「〇〇の場合、〇〇ならば」のように実際には起きていない仮定をおいて話が進行している場合は
「条件」として訳したほうが良いでしょう。

原因:OがCするので

さらに、with+O+Cは主題となる文の原因となることもあります。
一例を記載しています。

I was in a panic with my bag stolen.
(私はバッグを盗まれたので、パニックになった。)

この文も、付帯状況の訳し方にもとづいて「バッグが盗まれた状態で」としても意味は通ります。
ただし、より状況に即した訳をするのであれば、パニックになったのはバッグを盗まれたことが原因なので
「バッグが盗まれたことでパニックになった」と因果関係を明らかにして訳すことで伝わりやすい日本語になります。

付帯状況を表すwithの用法

さて、ここまでwith+O+Cの形で様々な例文を見てきましたが、Cの部分には-ing形や過去分詞、形容詞など様々な品詞が入ることに気づかれた方もいるのではないでしょうか。実は、Cの部分には副詞や形容詞、前置詞など様々な品詞を置くことができます。
ここからは、どのような文でそれぞれの品詞が使われているのかを見ていきましょう。

with+O+現在分詞

現在分詞とは、いわゆる「-ing形」のことです。冒頭の例文にも出てきた、「She is taking a shower singing a song.」も現在分詞を使った分詞構文ですね。
with+O+Cの構文でも、現在分詞を使っている例はたくさんあります。

She was crying with tears running down her face.
(彼女は涙を流して泣いていた。)

上の日本語は少し意訳が入りますが、「tears running down her face(涙が顔を伝って)」という部分を
「涙を流して」と訳しています。
この文の場合、with以下のOの部分(=涙)がCという動作を行っている(=顔を伝っている)という構造になっているので
涙が主語、流れる(running)が動詞のような関係が成立しています。

with+O+過去分詞

過去分詞とは、受け身の形になっているもので、with以下のOがある状態になっていたり、
ある行為の目的になっている場合に使用されます。

He was sitting with his legs crossed.
(彼は足を組んで座っていた。)

例えば、上の例文ではOに当たる足(his legs)が組まれている状態で(crossed)という構造になっていますが、
足は「人が足を組む」という動作の目的にあたるため、「crossed」と受け身形にされています。

with+O+形容詞

Oの後には形容詞がついてくる場合もあります。
代表的な例は下の文です。

I left my room with the windows open.
(私は窓を開けたまま、部屋を出ていった。)

この文では、窓が開いた状態というのを説明していますが、
名詞である「the windows(窓)」の後に形容詞である「open(開いている)」という形容詞を持ってくることで、
窓が開いている状態、という意味を作っています。
まさに第5文型のOとCの対応関係のように、「O=C」が成立している例と言えます。

with+O+副詞

副詞もwith+O+CのCの位置で使用されることがあります。

He entered my apartment with his shoes on.
(彼は靴を履いたまま、私のアパートに入ってきた。)

こちらの文では、「靴を履く」という動作に用いられる「on」という副詞がCの部分に入っており、
「靴を履いたまま」という状態を表しています。

with+O+前置詞句

「前置詞句」とは前置詞と名詞がセットになったものですが、こちらもwith+O+Cの構文で使われることがあります。

I closed the door with the key on the inside of it.
(私は鍵を内側につけたまま、ドアを閉めてしまった。)

こちらの文では、with以下で「鍵を内側につけたまま」という状態を表していますが、
その際に「on the inside of it」 という形で前置詞+名詞を持ってきています。

ここまで見てきたように、一口にwith+O+Cと言っても様々な品詞が使われることがあり、
訳の仕方も様々だということがお分かりいただけたかと思います。

まとめ:付帯状況のwithは第5文型に似た感覚で

今回は、付帯状況、とくにwith+O+Cの形をとる構文についてご紹介しました。付帯状況のwithを理解するポイントは、「第5文型」です。
先ほども簡単に触れましたが、第5文型は、Oを等しい関係にあるCと並べて説明するような文でした。
with+O+Cも、第5文型と同じで、基本的にOは説明されるもの、Cがその内容を表しています。
英語の雑誌やニュースでは頻繁に使われる文法なので、ぜひマスターして英文読解や入試対策に役立てていただければ幸いです。

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