英語の指示代名詞を完全解説!thatやthisだけじゃない?

英語の指示代名詞文法・語法

英語の指示代名詞とは?

英語の指示代名詞とは、人や物や事を指し示す代名詞のことで、具体的にはthis(これ)やthat(それ)、such(そのような)などが指示代名詞に当たります。一般的に最も使われている指示代名詞はthisとthatですが、それ以外にも指示代名詞の働きをする単語がたくさんあります。
今回は指示代名詞について網羅的に解説していきます!

this(these)とthat(those)の使い方

まずは、指示代名詞の中でも最も多く使われている、thisとthat、またその複数形に当たるtheseとthoseについて 見ていきましょう。

基本的な使い方:具体的な人やものを指す

まずは、最も基本的な使い方として物を指し示す使い方があります。例文を見てみましょう。

This is my car.
(これは私の車です)
That is John’s dog.
(あれはジョンの犬です。)

こちらがthisとthatを使った例文です。どちらの文でも、「これ」や「あれ」といったものを指し示す役割を果たしていることが分かります。
thisとthatは基本的に距離の近さ/遠さによって使い分けられます。この「距離」というのは物理的・心理的両方の意味があります。
物理的な面で言うと、すぐに手に取れるくらい近くにあるものにはthis、少し距離があり、手に取るのに移動する必要があるようなものにはthatを使うケースが多いです。また、心理的な距離で言うと、すでに知っている情報や自分の好きなものに対してはthis、まだ知らない情報や自分の苦手な物についてはthatが使われることが多くなっています。

また、thisやthatが複数形になったtheseやthoseでも同様の使い方がされます。

These cakes are made by my mother.
(これらのケーキは私の母が作りました)
Those people are waiting for the elevator to come.
(あの人たちはエレベーターが来るのを待っています)

これも距離によって使い分けられ、自分から近くにある場合はthese、遠くにある場合にはthoseが用いられます。

前後の文の内容を受けるthisとthat

長文を読んでいると、前の文章を受けるthisやthatがよく出てきます。例えば次の例文のようなパターンです。

More and more young people tend to live in Tokyo. This may cause depopulation in rural area.
(若者はより東京に住むようになってきています。これは地方の過疎化を引き起こす恐れがあります。)

この文章では、「若者が東京に住むようになってきている」という文自体を、次の文で”this”で受け、そのことが過疎化を引き起こすという論理になっています。このように、直前の文章を受けて文を繋ぐような使い方は頻繁に出てきます。

名詞の繰り返しを避けるthatとthose

同じ文の中に一度使用した代名詞を繰り返す場合にthatやthoseがその働きを担うことがあります。

The population of Fukuoka is less than that of Osaka.
(福岡の人口は大阪より少ない)

日本語だと「大阪より」となっていますが、英語は比較を行う際、同じもの同士を比較しなければいけません。
「福岡の人口(the population of Fukuoka)」と「大阪の人口(the population of Osaka)」を比較することになりますが、the populationという単語が2回出てくるため、2回目を省略する際にthatが使われています。

「人々」を表すthose

これはthoseのみですが、”those who”(whoは省略されることもあります)という形で「~な人々」という使い方をされる場合があります。
whoは関係代名詞であるため、後ろには動詞(areやthink,goなど一般動詞)を取ります。

Those who are interested in mathematics should take this course.
(数学に興味がある人はこのコースを受講すべきです)

こちらの例文では、”Those who are interested in mathematics”までが主語となっており、「数学に興味がある人々」というまとまりができています。

会話文で:電話などで人を指すthisとthat

thisとthatについては、会話や電話で人を示す際にも使われることがあります。

Hello, this is Jim speaking.
(もしもし、ジムです)

例えば、このような会話文で、「●●ですけど、○○さんをお願いします」などと言いたいときは、まず最初にThis is ~という形で名のりましょう。
また、アメリカ英語では電話の相手を指す場合もthisですが、イギリス英語では相手を指す場合にthatが使われます。

Who is that? / Who is this?
(どちら様ですか?)

のような英語も覚えておきましょう。

形容詞・副詞的用法

名詞を修飾するのが形容詞的用法、動詞を修飾するのが副詞的用法ですが、thisやthatは形容詞や動詞の前につくことで「その」「この」「こんなに」などの意味を持つことがあります。例文を見てみましょう。

This cat is big.
(この猫は大きいです)
That professor is very strict.
(あの教授はとても厳しいです)

このようにthisやthatで「この猫」「あの教授」と名詞をさらに説明するような表現ができます。
また、動詞を修飾する場合は下記の例文のような使い方が見られます。

I can’t eat that much.
(そんなに多く食べられないです)

この文の中では、thatはmuchにかかっているので、「そんなに多く」というように副詞として機能しています。

soの用法

thisやthatについて解説してきましたが、実は指示代名詞はその2種類だけではありません。
ここからは、thisやthat以外の指示代名詞についてもご紹介していきます。まずは、soからです。

考えや発話の目的語となるso

It will rain tomorrow. ―― I think so, too.
(明日は雨が降るでしょう。――私もそう思います)

動詞doの目的語となるso

I had to park my car in the garage, but I had no time to do so.
(車をガレージに停めなければいけなかったけれど、そうする時間がありませんでした)

動詞の補語となるso

The castle was very new and well decorated, but it will not longer remain so.
(そのお城は真新しく、たくさんの装飾がされていたけれど、あまり長くはその状態は続かないでしょう)

suchの用法

suchもsoと同じように、文章の中で指示代名詞として用いられることがあります。

代名詞的用法

I thought John was kind, but he was not such.
(ジョンはとても親切な人だと思っていましたが、そうではありませんでした)

形容詞的用法

We have made such a big sales in this year.
(今年は本当に多くの売り上げを上げることができました)

suchを用いた慣用表現

I helped my father’s business, such as it was.
(大したことはできませんでしたが、私は父の仕事を手伝いました)

the sameの用法

the sameは「~と同じ」という意味を表しますが、指示代名詞として用いることもできます。

代名詞的用法

John is heedless. The same is true of you.
(ジョンは不注意ですが、同じことがあなたにも当てはまります)

形容詞的用法

I made the same mistake that I had made in last month.
(私は先月と同じ失敗をしてしまいました)

まとめ:文章全体を俯瞰して指示代名詞の意味をとらえよう

たくさんの指示代名詞とその使い方についてご説明してきました。例文を見ていろいろなパターンの英語が理解できるように練習しておきましょう。ポイントは、指示代名詞が来たらその前後の文を見ることです。thisやthatがさしていることや物は、たいてい前か後ろのどちらかの文で触れられることなので、落ち着いて文章全体を見ればthisやthatが指しているものが分かり、文の意味も読み解くことができるでしょう。

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