TOEICで高得点を取るためには、基礎となる英語力はもちろん必要ですが、同時にTOEIC特有の問題形式やクセに対応する必要があります。今回は、英語力ではなくTOEICテストのクセを攻略するためのヒントをご紹介。
満点を取得した経験のある筆者が、本番でも通用する「小手先のテクニック」を40個解説します!試験前で時間がない方は、ぜひご覧ください(笑)
Part1攻略のコツ
Part1は、写真を描写する表現を聞いて、最も適切なものを選択する問題です。
試験が始まったらナレーションは無視する
まず、リスニング音声の流れを見ておきましょう。
リスニング音声は次のように進みます。
①Part1の説明と例題→Part1の問題
②Part2の説明→Part2の問題
③Part3の説明→Part3の問題
④Part4の説明→Part4の問題
各パートでは、最初に説明や例題が流れ、その後に問題という流れで進みます。
問題形式が変わっていない限り、各パートの説明については聞く必要がありません。説明文は聞き流し、問題にかかわる音声のみに集中しましょう。
また、余裕がある方はPart3やPart4の問題の先読みをするのも良いでしょう。
。リスニングが苦手で、リスニングを捨ててリーディングに取り組みたい方もいるかも知れませんが、ルールを遵守してリスニングの時間中はリスニング問題を解くようにしましょう。
問題開始前に6個の写真をすべて見ておく
パート1では、説明文と例題が流れている間に、出題される6枚の写真にすべて目を通しておきましょう。
例題は聞き取れなくても気にせず、写真を見ながらどんな英語が読まれるかを予測しておくことで、問題が聞き取りやすくなります。
登場人物の動作に注目する
写真は、人物写真と人物のいない写真の2種類がありますが、人物写真ではその人の動作が問われることが多いです。例えば、料理をしている、掃除をしている、何かを指さしている、など写真を見てパッと分かる動作であることが多いです。
現在形と進行形の違いに着目
間違いやすい問題として、現在形と現在進行形の混同があります。
例えば、”He wears a sweater.”(彼はセーターを着ている)は現在形なので、「今すでに身に着けている」状態を表しているのですが、”He is wearing a sweater.”(彼はセーターを着ているところだ)は現在進行形であり、「今まさに着ている最中」であることを示します。
このように、今すでに身に着けているという「状態」を表すのか、今まさに身に着けようとしている「動作」を表すのかはしっかりと区別する必要があります。
人物写真のひっかけに注意
先ほど人物写真では動作が問われるという話が出ましたが、ひっかけとして人物写真でもあえて人物に言及しないような問題も出題されます。
人物描写と見せかけて背景に車が並んでいる描写をしたり、壁に絵がかかっているなどの選択肢が正解となることもあります。
あらかじめ人物の行動をチェックしつつ、必ずしもそれが正解になるわけではないと頭の片隅に置いておきましょう。
Part2攻略のコツ
Part2は1つの質問文と3つの選択肢が読まれ、最初の文に対して最も適切な応答を選ぶ問題が出題されます。
問題文は見ず、解答用紙のみ手元に
Part2では、問題文を見る必要は一切ありません。どの問題も”Mark your answer on your answer sheet.”となっており、同じ種類の問題が繰り返されます。
100%聞くことに集中し、手は常に解答用紙でマークできるように置いておきましょう。
文頭の疑問詞を聞き取ることに全集中
Part2で流れる音声は疑問文であることが多く、5W1Hをいかに聞き取れるかが得点率を高めるカギとなります。
付加疑問文のような形で冒頭に疑問詞が出ないこともありますが、多くの問題では5W1Hを含む英語が読まれるため、冒頭は最も集中力を高めて聞き取りましょう。
疑問文ではない問題も出題される
先ほど疑問詞の聞き取りが重要という話もありましたが、まれに疑問文ではない問題も出題されます。
この場合、通常の会話のやりとりが正解になることが多いです。
問題と同じ単語が使われていたら注意
Part2での裏ワザ的なコツですが、問題と同じ単語が回答に含まれている場合は誤りであることが多いです。
これは、出題者側が誤答に誘導する意図で作られることが多く、多くの受験者がひっかかってしまうところでもあります。
わからない問題で考え込まない
Part2は1問あたりの時間がとても短く、10秒で次の問題に進んでしまいます。分からない問題に出会って考え込んでしまうと、次の問題の聞き取りに影響が出てしまうおそれがあります。
多少分からない問題があったとしても気にせず、割り切って次の問題に集中していきましょう。
Part3攻略のコツ
Part3は会話が読まれ、それに対する問題について、4択で解答する問題です。
TOEICのリスニングの中でも最も問題数が多く、長丁場のパートです。
問題の先読みを行っておく
Part3では、問題の先読みを行うのがおすすめです。冒頭、Part3の問題の説明が流れるので、この時間を利用して先読みをしておきましょう。読むスピードが遅い方は、問題だけでも先に読んでおくと効果的です。
スピーカーの役割分担をおさえる
Part3では、2人もしくは3人の会話が出題されます。2人の会話が問題の多くを占めますが、通常は男女での会話となっています。
会話のシチュエーションにもよりますが、「店員と客」「先生と生徒」のように役割が分かれていることが多いため、まずは男女のどちらがどの役割なのかを把握しましょう。そうすることで、どちらが解答のヒントとなる発言をするのか当たりをつけることができます。
5Wの質問は具体的に聞き取っておく
問題文の中に”When””Where””Who”のような特定の情報に関わる疑問詞が登場することがあります。この場合、ナレーション内でその特定の情報を聞いていないと解答が難しくなってしまいます。そのため、WhenやWhereという疑問詞が出たら、なるべく意識的に答えを聞き取り、解答に備えましょう。
3人の会話は同性人物の区別をしっかりと
3人の会話では、男女に加えてもう一人、どちらかの性別のナレーターが加わります。
同性でも区別できるように、高い声と低い声など異なる特徴の声が使われることが多いですが、男女よりは区別がしにくくなります。
シチュエーションとしては、「店員とその上司と客」や「同僚3人」「レストランに来た友達同士」など様々ですが、後半に同性のもう一人が登場することが多いです。
そのため、3人の会話問題ではいつ3人目が登場するかを意識しながら聞き取ると問題が解きやすくなります。
図表問題は図の内容を見てから
Part3では最後の2問が図表を見て答える問題になっています。地図や料金表などが主に出題されますが。通常の問題よりやや難易度が高いです。
先読みの際に、可能であれば図表に何が書かれているのかを先に見ておきましょう。料金表であれば商品に関する情報を徹底的に聞き取るなどの対応ができます。
Part4攻略のコツ
Part4もPart3同様に4つの選択肢から正答を選ぶ問題ですが、会話ではなくナレーターが1人になります。
アナウンスやスピーチ、電話の伝言、ラジオ番組のようなシチュエーションが良く出題されます。
問題の先読みを行っておく
Part3と同様ですが、問題の先読みを行うことで聞くべきポイントが分かりやすくなります。
がんばってすべての英語を聞き取るよりも、問題に出てくるポイントを集中的に聞いた方が効率的です。
問題の種類を知っておく
TOEIC Part4で出題されるナレーションの中には、頻出のシチュエーションが存在します。一例を挙げると、下記の通りです。
・電話のメッセージ
・ラジオやテレビの放送
・会議の一部
・お知らせ
・広告
これらのシチュエーションでは、似たような話の流れになることが多いです。
例えば、電話のメッセージでは、①歯医者の予約時間についての確認をしている②予定が入ってしまったため予約時間を変更する必要がある③メッセージを聞いたら折り返して連絡をする
といったように起承転結のようなストーリーが一般的です。
問題集を持っている方はスクリプトを読んでおき、あらかじめ話の流れを頭に入れておくと状況理解が進むでしょう。
最初の1~2文で概要を把握する
Part4の最初の1~2文では、これから話される内容について概要が示されることが多いです。
例えば、「会議のスケジュール変更の件で電話しました」や「○○さんの定年退職を祝うスピーチをはじめます」のように、出題内容がざっくりと分かるような文が読まれることがあります。
これをしっかり聞き取っておくと話の流れがある程度予測できるため、音声についていきやすくなるでしょう。
苦手なトピックは潔く諦める
特定の業界について話していたり、特定の場所でのアナウンスなど、自分の知識が乏しいトピックに出会ってしまうこともあるでしょう。このような問題では迷って時間を無駄にせずに潔く諦め、次の問題の選択肢を先読みするなど時間の有効活用を図りましょう。
推測問題はアナウンス全体の流れを見て考える
Part4では推測問題と呼ばれる問題が出題されます。アナウンス中に言われていないことでも、”What does the speaker mean when (s)he says, “…”?”のように流れから考えて適切なものを選ばせる問題です。
推測問題は難易度が高いですが、全体を見渡すことで正解に近づきます。どのような状況でその発言が出たのか、聞き手にどのようなアクションを促すセリフだったかを考えると、適切な選択肢を選びやすくなります。
Part5攻略のコツ
Part5は短文の穴埋め形式の問題で、主に文法や語彙に関する出題となっています。
1問にかけられる時間を意識する
Part7に時間を使うことを考えるとPart5に使える時間は限られています。
Part5は全部で40問ですが、目安は1問につき20秒程度と考えてください。
選択肢から読む
普通に問題を解く場合、問題文から読み始めますが、Part5では選択肢を先に読みましょう。
なぜなら、選択肢によってはどのような問題か判別がつくからです。
消去法は使わなくても良い
大学入試共通テスト(センター試験)の勉強をしたことがある方は、消去法で解くくせがついてしまっているかもしれません。たしかに、正解率を高めるために消去法は有効ですが、ことTOEICにおいては必ずしも消去法を使う必要はありません。
TOEICは時間との戦いです。選択肢を一つひとつじっくり検討するよりも、サクサクと次の問題に進み数をこなしたほうが高得点を取れる可能性があります。
意味問題は文章全体の流れを読む
文法問題の中にも、文章全体の意味を踏まえて解答する必要があるものもあります。例えば語彙の問題や接続詞の問題は、文全体の意味が取れないと正答を導けません。このような問題では、空欄前後だけではなく、問題全体を見渡して、足りない要素を空欄に補うことで正答になります。
裏技:他のパートに答えがあることも
かなり珍しいケースですが、Part5で解答となる文法や語彙が、他のパートで文章に使われていることもあります。
完全に問題と同じであることもあれば、類似の文章が出ることもありますが、筆者自身は4~5回経験したことがあります。
仮に分からない問題があったとしても、似たような文脈のPart6・7の問題を見るとヒントが見つかるかもしれません。
※確率としてはそれほど高くないですが、何度もTOEICを受験していると遭遇することがあります。
Part6攻略のコツ
Part6では、文章の穴埋め形式の問題が出題されます。問題数は少ないですが、ここで時間をかけてしまうとPart7が間に合わなくなってしまうため、短時間で効率よく解きすすめる必要があります。
文章の先頭から読みながら解く
Part6の問題は、Part5とは異なりやや長めの文章の途中に空欄があったり、文章の中で一文が穴埋めになってたりします。
これを攻略するためには、文法知識はもちろんですが文脈を読解する力も必要となります。
では早速ポイントを見ていきましょう。
文法問題を先に終わらせる
Part6は大きく分けると文法問題と文脈を捉える問題の2種類に分かれます。文法問題は空欄前後を読めば解けますが、文脈を捉える問題は空欄前後だけでは解けず、全体を読む必要があることが多いです。
このため、比較的時間がかからない文法問題を先に解くのがおすすめ。選択肢を見て動詞の活用形が並んでいたり、前置詞が並んでいたら、その問題から手を付け始めましょう。
文挿入は前後の文とセットで考える
Part6では文挿入という、一文を空欄に当てはめる問題が出題されます。Part5にはない問題のため、文挿入に苦戦する方も多いです。文挿入の攻略ポイントは、前後の文を含めて考慮することです。単文だけでは正解が導けないため、選択肢を空欄に入れて前後の文と一緒に読んだときに違和感がないものを選択しましょう。
定番の流れから答えを予想する
Part6の文章には、おおよその起承転結があります。例えば、商品購入のお礼→商品の説明→返品などのポリシーの説明、といったように、日常生活で出会う文章のような形式であることが多いです。
これを利用することで、文章の流れを予想することができます。
筆者自身の経験からも、あまり突拍子のない文脈が出題されることは少ないため、まずは文章全体を眺め、どのような展開で話が進むか予想してみるのもいいでしょう。
先頭の文、終わりの文はチャンス
文挿入の問題では、文章の先頭や終わりに空欄が来ることがありますが、これは得点チャンスです。
文の途中の場合、前の文・後ろの文両方と整合性を取って最適な文を選ぶ必要がありますが、先頭や終わりの場合はどちらか一方との繋がりで正解が決まるため、選択肢が簡単になりやすい傾向があります。
Part7攻略のコツ
Part7はリーディング最難関と言われるパートで、多くの方が時間が足りなくなっていまいます。
長文を可能な限り短い時間で読み、正答率を高めるコツをお伝えします。
文書のタイプを確認する
まず、確認したいのが文書のタイプ。Part7の問題文中にarticle(記事)やadvertisement(広告)、webpage(ウェブページ)などこれから出題されるのがどういった文書なのかが明記されています。これを抑えておくことで、文章の流れを予測しながら読みすすめることができます。
解きやすい問題から取り組む
Part5と同様に、解ける問題から取り組むのが得点アップのコツです。
TOEICのリーディングは常に時間との戦いなので、わからない問題に時間を消費するよりも、潔く諦めて解ける問題を探したほうが良い結果になることが多いです。特に初心者の方は一つ一つの文章を隅々まで読んで解答しがちですが、それでは時間が足りなくなってしまいます。
まずは問題を見渡して、簡単そうなものから手を付けていきましょう。
パラグラフリーディングを意識する
パラグラフリーディングとは、長文を段落ごとのまとまりでとらえ、その中で主要な主張や根拠となる情報を読み解いていく方法のことです。簡単に言うと、段落ごとに大意をつかみながら読んでいくことです。
Part7の問題は、1段落につき1つ程度出題されることが多いため、パラグラフリーディングと相性が良いです。各段落にかかれている内容をおおまかに頭に入れながら問題文を読み進めていくと良いでしょう。
NOT問題は一番最後に解く
NOT問題とは、「次のうち、どれが~~でないか」のように正誤を問う問題です。NOT問題を確実に取るためには、各選択肢を吟味し正解/不正解を判定する必要があります。はじめにNOT問題に手を付けてしまうと、根拠探しにあちこち目を走らせてしまうため時間のロスに繋がることが多いです。NOT問題は問題文を読み終わった終盤に解き、内容を思い出しながら根拠を探すのがおすすめです。
推測問題は複数文章を照らし合わせる
本文の内容から推測される答えを選ばせる問題もあります。この場合、問題の中にはっきりと正解が書かれていることは少ないですが、文章のいろいろな箇所にヒントが散りばめられているので、複数文章を照らし合わせることで正解に近づきます。
特にダブルパッセージ・トリプルパッセージの問題は、異なる文章にいくつかのヒントが点在することが多く、照らし合わせの際は複数文章の中に根拠を探すと正解が見つかりやすいです。
試験前日の過ごし方のコツ
TOEICテスト前日にこの記事を読んでいる方もいるかもしれません。当日100%の力でテストに臨めるように、前日からしっかりと準備をしていきましょう。
新しい問題はやらない
TOEICテスト前日には新しい問題をやらないことをおすすめします。もちろん、どんどん問題を解くスタイルの方は新しい問題にチャレンジしても良いですが、多くの場合は消化不良に終わります。
むしろ、これまで解いてきた問題を見直したり、つまずいたポイントを復習したりした方が点数アップにつながります。
しっかりと睡眠を取る
TOEICはリスニング45分+リーディング75分の長丁場。十分に睡眠がとれていないと集中力が持続しません。
前日は最低でも6~7時間は睡眠をとることをおすすめします。
早めに食事を済ませておく
眠気は集中の大きな妨げになります。午前であれば10時、午後であれば13時からテスト開始ですが、1時間ほど前には食事を済ませておき、食後の眠気が来ないような状況を作っておきましょう。満腹になるまでたくさん食べるのはあまりおすすめしません。腹八分目で済ませ、眠気や胃もたれを気にせずTOEICに集中できるように準備しましょう。
時間に余裕を持って会場入りを
試験開始時刻の30分ほど前には会場についているようにしましょう。大規模会場であれば、部屋を探したり受付をしたりするのに待ち時間がかかることも多く、ギリギリの時間では試験時刻に間に合わないおそれがあります。
特に昨今は検温やソーシャルディスタンスを保っての入室となっており、通常の1.5倍ほど入室に時間がかかると考えておくと良いでしょう。
水分のとりすぎに注意
試験時間が長いため、途中でトイレに行きたくなることもあるでしょう。生理現象なので仕方ないですが、トイレに行っている間、解答できる時間をロスしてしまいます。
水分補給は大切ですが、試験中にトイレに行かないで済む程度にしておきましょう。
まとめ:最後の1秒まで点数を上げる努力を!
この記事を読んでくださっている方は、本番まで時間がない中最後まで粘っている方でしょう。
大事なTOEIC試験前、最後の5分に見ていた単語が出題されることはよくあります。最後の最後まで勉強を重ね、高得点を勝ち取っていきましょう!
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