英語力の目安として、TOEIC700点を目指している方は多いでしょう。企業でも700点を基準にしていることもありますし、TOEICの990点満点で見るとおよそ7割であるため、正答率の目標としても目指しやすい数値です。
今回は、TOEIC700点レベルの英語力と、そこに到達するための勉強方法についてご紹介します!
TOEIC700点の英語力の立ち位置
TOEICの運営を行っているIIBCが集計したTOEIC受験者データ(2020年7月版)によると、695~745点が68,613人、745~790点が59,062人となっているため、おおよそ13万人程度が700点台を取得していることになります。割合で見ると、受験者のおよそ16%(83万人中13万人)にあたる方々が700点台を取得している計算となります。
また、IIBCの別の資料資料によると、日本のTOEICの平均得点が523点となっていることから、TOEIC700点を保有していれば、日本人の中では英語ができる部類に入ると言えるでしょう。
TOEIC700点のメリット
就職や進学において、TOEIC700点を取得しているとどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
学生でTOEIC700点
高校生にはあまり親しみのないTOEICテストですが、大学の推薦入試の出願資格として使われていたり、加点されたりする場合もあります。具体的には、福島大学や横浜市立大学、筑波大学などの一部の学部で推薦の加点になったり優遇されたりすることがあります。どの大学でも、700点~800点程度で優遇が行われることが多いため、高校生であってもTOEIC700点を取っておくことはメリットになりえます。
また、大学生では就職試験でTOEICの点数を書く方も多いと思いますが、就職ではTOEICの点数で英語力を見られることが多いです。ファーストリテイリングやソフトバンク、武田薬品などの企業がTOEIC700点を英語力の基準として見ていると言われており、有名企業の選考基準としても使われています。
大学生のうちに700点を取得しておくと、就活で有利に働くこともあるでしょう。
社会人におけるTOEIC700点
社会人でTOEIC700点を取得していれば、一定程度英語ができるという評価を受けることができます。ただし、周りが英語のできる人の多い環境であれば、それほど飛びぬけて評価されることはないでしょう。
TOEICの点数は英語力の目安となるため、転職の際にTOEIC700点と履歴書に書けば、英語のできる人と見てもらえる場合もあります。
ただし、ネイティブと対等にやり取りできるかは怪しいレベルであるため、アピールするかどうかは慎重に考えましょう。
CEFR基準で見るTOEIC700点の能力
TOEIC700点は、CEFR基準で言うとB1~B2の間に該当します。高度に熟達はしていないまでも、英語である程度の意思疎通ができる程度の能力と認められます。旅行や日常会話ではスムーズにコミュニケーションができるレベルと言えます。
TOEIC700点の4技能とは
TOEICで700点を取得するためには、単純計算でリスニングで350点、リーディングで350点を取得する必要があります。
各セクションは495点なので、どちらのセクションでもおよそ7割の得点が求められますが、具体的にどのくらいの英語力があれば700点を取れるのかを見ていきましょう。
TOEIC Listeningパート 350点レベルとは?
リスニングで350点を取れるのは、基礎的な英語であれば問題なく聞き取れ、選択肢も理解できるレベルです。多少分からない単語や聞き漏らしがあっても、全体の意味は取れるようなイメージです。
パート別に見ると、Part1ではほぼ満点が取れ、Part2でもほとんどの質問の意味を聞き取れるレベル。Part3・4ではリスニング音声の8割程度を理解でき、根拠をもって解答できるレベルです。
TOEIC Readingパート 350点レベルとは?
リーディングで350点を取れるのは、文法事項をしっかり押さえており、長文もある程度スムーズに読めるレベルです。まだ時間内にすべての問題を解き終わらないまでも、自信をもって解答を選べるような方が多いでしょう。
パート別に見ると、Part5では多少時間がかかっても7~8割程度の得点ができ、Part6でも7割程度、Part7でも7割程度は正解できるレベルです。Part7の文章が長かったり、複雑な文章になっている場合は正答率が少し下がるでしょう。
TOEIC700点台のスピーキング力
L&Rテストでの700点の場合、スピーキングは直接点数を測ることはできません。基礎的な単語は身についていると言えるレベルのため、日常会話や簡単なやりとりでは困ることはないでしょう。しかし、内容の濃いビジネス会話やアカデミックな議論になるとついていくのは難しいかもしれません。
TOEIC700点台のライティング力
スピーキングと同じく、ライティングもL&Rテストでは実力を測るのが難しいです。文法についてはある程度理解が進んでおり、きれいな構造で文章を書くことはできるでしょう。ただし、単語の使い方や表現の幅という意味ではまだまだ伸びしろがあると言えます。
TOEIC700点取得のロードマップ
今は700点に届いていない方でも、しっかりと計画を立て学習を進めていくことで700点を目指すことは十分に可能です。受験日から逆算して対策を講じていきましょう。
TOEIC700点取得のリスニングロードマップ
リスニングでは、Part1・Part2に関しては8~9割、Part3・Part4では7~8割程度は得点できるように全体的なリスニング力を底上げしていきましょう。高校レベルの英語を学習した前提であれば、Part1・Part2の短文の聞き取りについては1ヶ月、Part3・Part4の長文については3ヶ月程度あれば対策可能です。
TOEIC700点取得のリーディングロードマップ
リーディングでは、まずはPart5の文法問題で安定して7~8割の正答率が出るように練習をしましょう。高校レベルの文法ができれば8割程度の得点は目指せるため、まずは高校レベルの文法を確認しましょう。
次に、Part6・Part7については長文の読解が入ってきます。これについては公式問題集やたくさん問題が載っている問題集を繰り返し、形式に慣れながら感覚を掴んでいきましょう。
3ヶ月程度である程度スピード感を持って問題が解けるようになるはずです。
TOEIC700点取得のために本番で気を付けるべきポイント
日々の勉強も重要ですが、やはり本番当日の解き方も点数に大きく関わります。特に時間配分はリーディングで高得点を取るためには必須となっており、タイムマネジメントについては本番同様の形式で問題をときながらトレーニングすることをおすすめします。
TOEIC700点取得のための時間配分
リスニングには時間配分が必要ないですが、リーディングではある程度時間配分を意識しながら取り組む必要があります。特にPart5の文法問題は、1問あたり20秒~30秒で解かなければ、後ろに控えているPart6・Part7を解く時間がなくなってしまいます。
文法問題はできるだけ速く解き、分からない問題は潔く飛ばすようにしましょう。
TOEIC700点取得のためのおすすめ勉強法
TOEIC700点を取得するとなると、小手先のテクニックだけでは難しいです。しっかりと基礎となる英語力を伸ばし、聞く/読む力を鍛えるのがおすすめです。
リスニング編
リスニングでは、頭の中で聞こえてくる英語をイメージや図に変換し、すばやく意味を取れるようになるのが重要です。このため、ディクテーションやシャドーイングといった基礎力を鍛える勉強法がおすすめです。
リーディング編
リーディングでは、まずは文法問題を中心に勉強を重ね、8割程度を安定して取れるようになったら長文にも手を伸ばしましょう。長文問題を解く際には、パラグラフリーディングで段落ごとに意味を取りながら読みすすめると解答しやすくなります。
TOEIC700点取得のためのおすすめ参考書
まずは700点の基礎となる単語帳としてTOEIC L&R TEST でる単特急 金のフレーズ 改訂版 出る単特急金のフレーズ [ TEX加藤 ]はおすすめできます。こちらに掲載されている単語を集中的に鍛えれば、TOEICに出題される単語の8割はカバーできるため、まずはこの一冊を完璧にしましょう。
また、文法対策としては文法特急 (1駅1題 TOEIC L&R TEST) [ 花田徹也 ]がおすすめです。すきま時間にできるような構成になっているため、忙しい方でも移動時間やちょっとした空き時間に文法問題をさらうことができます。
また、試験間近の方は、本番同様に実力を試せる公式TOEIC Listening & Reading 問題集 8に取り組みましょう。公式問題集で解けなかった問題を繰り返し練習することで、本番でも解ける力がついてきます。
まとめ
ここまでTOEIC700点レベルの英語力や本番試験対策について見てきましたが、やはり700点となると正攻法での攻略が必要となります。
ここでご紹介した勉強法以外にも、普段から英語と触れる機会を増やし、多様な英語と出会うことで総合的な英語のレベルアップに繋がるでしょう。
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