助動詞「will」の本来の意味とは?用法用例を交えて紹介します

willの意味と用法文法・語法

中学生で習う「will」ですが、実は奥深い単語。「~だろう」という訳ですべて片づけてしまっていませんか?
単語の中心となる考え方を理解することで、英文本来の意味を捉えて訳出を行うことができるでしょう。
今回は「will」の語源から、実際の用法、様々な意味について解説していきます!

助動詞「will」の意味と使い方

助動詞として知られている「will」ですが、その語源はゲルマン語の「wiljo(意図)」から来ていると言われています。
「wiljana(欲しいと思う)」→「welh-(望む)」と変化していることから、willの核となる意味は「意図、意志、望む気持ち」だと言えます。
つまり、普段学校では「~だろう」と教えられているwillですが、その語源は「~だろう」よりもより強い、「~したい、~(ほぼ確実に)する」という意味を含んでいるのです。
もちろん、現代では「~だろう」という意味でも使われるため、そのように訳しても良い場合がありますが、もともとは学校で習った意味よりも強い意志を表すということも覚えておくと良いでしょう。
では、現在「will」がどのような意味でつかわれることが多いのか、見ていきましょう。

単純未来

その名の通り、未来に起こること、とりわけ自分の意志と関係なく起こることを示すときに、「単純未来」の意味でwillが使用されます。

It will rain tomorrow.
(明日は雨が降るだろう。)
My sister will be twenty next year.
(姉は来年で20歳になる。)

上の例文のように、天候や年齢、時間に関することなど、自然の成り行きで起ころうとしていることについて表現されることが多いです。

意志

willのもともとの語源は「望む、ほしいと思う」といった意味なので、willは「~する」という強い意志を持つときに使われることもあります。
下記に一例を載せています。

I will do his best in the next baseball match.
(次の野球の試合では全力を尽くします。)
I will go to that store tomorrow.
(明日そのお店に行きます。)

どちらの文でも、「全力を尽くす」「お店に行く」という強い意志や欲求が表現されており、willの本来の意味と近い使い方だといえます。

推定

学校で習う「~だろう」という表現はここに当たるでしょう。物事を推測したり、その場の状況から様子を確かめるようなときに用いられます。
例えば、下記のような文が推定の意味を持っています。

My answer will be correct.
(私の答えは正しいだろう。)
The teacher will be busy now.
(先生は今、忙しいだろう。)

どちらの文でも「~だろう」という、確実ではないが予想していることを示す際にwillが使われています。
より遠回しに表現したい場合は、willの代わりにwouldを用いることもあります。

習慣・習性

My mother will play the piano every week.
(母は毎週ピアノを弾く。)

現在形とも似た意味になりますが、現在の習慣や繰り返し行う動作を表現するときに、willが使われることがあります。
習慣を表すため、oftenやsometimes、alwaysなどの副詞と一緒に使われることが多いです。

willとbe going toの違いとは

willとbe going toの使い分けに悩む方もいるのではないでしょうか。
結論を簡単に言えば、「今しようと思った」のか「昔からしようと思っている」のかでwillとbe goint toは使い分けられます。

例えば、急に電話が鳴った時、

I will take the call.
(私が電話に出ます)

また、ビジネスシーンでも、忙しい時などに

I will get back to yo soon.
(追ってご連絡します。)

このように、ずっと予定していたわけではないけれど、今しようと思ったことに対してはwillを使うことが多いです。
反対に、前々からやろうと思っていたことについてはbe going toで表現されることが多いです。
例えば、

I’m going to study abroad this year.
(今年は留学しようと思います。)
I’m going to buy a car.
(車を買おうと思っています。)

など、ある程度検討期間を経て決定したことや準備していたことなどについてbe going toを使います。

否定文や疑問文でのwillの使われ方

否定文のwill:強い拒絶の意味を表すことも

willが否定文で使われるときは、単純未来や推測(~だろう)の否定を表すこともありますが、強い拒絶の意志を表すことが多いです。
特に人が主語になっているときは、拒絶や拒否の気持ちが入っていると考えるといいでしょう。
例えば、下記の例文が拒絶の意志が入っているwillの使い方です。

I will not go to the school.
(私は絶対に学校に行きたくない。)

このように、「どうしても~したくない」と言いたい場合はwill notを使うと気持ちがうまく伝わります。

一方で、単純未来や推測の否定としても使うことができます。下記がその一例です。

It will not rain tomorrow.
(明日は雨が降らないだろう。)

これは、単純な成り行きとして雨が降るか降らないかの話をしているので、本人の意思とはかかわりなく「~ないだろう」と訳すことができます。

疑問文でのwill:~してくれますか?という依頼の文脈に注意

否定文と同様、疑問文でもwillが使われることはよくあります。もちろん「~するつもりですか?」のように
意志や行動の予定を尋ねる際にもwillを使いますが、疑問文で覚えておく必要があるのは、「~してくれませんか?」のように
物事を依頼する際にもwillが使われるということです。

例えば、こちらの例文のように何かをお願いしたいときにwillが用いられます。

Will you please close the door?
(ドアを閉めてもらえませんか?)

この文では、相手に動作をするように頼んでいますが、同じように何かをお勧めする場合にもwillが使われます。

Will you try this shirt on?
(このシャツを試着してみませんか?)

このように、試着や試食を勧める際にもwillは使われるので、海外でショッピングなどをされる際は覚えておくと聞き取りやすいでしょう。

名詞「will」の意味と使い方

助動詞としてはよく知られているwillですが、実は名詞として使われることも多いのです。
動詞としては、意志や意図、願望、考え、またシチュエーションによっては遺言という意味も持つ、非常に幅広い単語です。
ただし、元の意味として「意志、欲求」と覚えておけば、それを状況に当てはめることで単語の意味が分かってくるでしょう。
「遺言」も、人が死ぬ時の「意志」と考えれば、意味は取りやすくなりますよね。

「will」を使った慣用表現

willを使った慣用表現には、下記のようなものがあります。簡単に例文をまとめました。
・with a will:本気で

Kate studied with a will so that she could pass the exam.
(ケイトは試験に通るように本気で勉強を頑張った。)

他に同じ意味を表す慣用句としては、for real、in earnest、all outなどが挙げられます。

・at will:意のままに、思うままに

He can control a soccer ball at will.
(彼は思いのままにサッカーボールを扱える。)

他に同じ意味を表す慣用句としては、at pleasureが挙げられます。

まとめ:willは強い意志を表す

willについて様々な意味や表現をご紹介してきました。最も重要なのは、単語の核となる「意志や欲求、希望」というイメージです。
これさえ押さえておけば、willを使った否定文や疑問文、名詞のwillが出てくる文章であっても楽に読みこなせ、英語の意味がつかみやすくなるでしょう。

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