クイーンズ・ギャンビットの英語を解説-チェス用語を知ってより楽しもう!

クイーンズギャンビットの英語海外ドラマ・洋画で学ぶ

Netflixで大人気のドラマ、クイーンズ・ギャンビット(The Queen’s Gambit)。
主人公ベスを演じるアニャ・テイラー=ジョイの美しさもさることながら、ストーリー構成やチェスの試合シーンの臨場感、ファッションなど見どころたくさんのドラマです。
日本語の吹き替え音声も出ていますが、せっかくなので英語のまま理解できたらもっと楽しめるはず。そこで今回は、クイーンズ・ギャンビットに出てくる様々な英語を解説していきます!

クイーンズ・ギャンビット(The Queen’s Gambit)とは?

ドラマの題名になっている「クイーンズ・ギャンビット(The Queen’s Gambit)」ですが、これはチェスのオープニング(戦法)の一つです。
チェスには将棋の「定跡」のように、戦いを有利に進めるための最善手とされる序盤の駒の動かし方がいくつも存在しますが、その中の一つが「ギャンビット」と言われる戦法です。ギャンビットはイタリア語のGamba(足)が語源と言われている戦法で、最初に自陣のポーン(歩兵)を一つ損しますが、その代わりに戦いを有利に進められる戦法です。
その中でもクイーンズギャンビットとは、ギャンビットの中でもお互いにクイーンの前のポーンを進めることでクイーンが活躍しやすいようにスペースを生み出す戦法のことです。
ドラマの中で実際にこの戦法が登場することはありませんが、主人公ベスをクイーンに例えてドラマの主題にしたとも受け取ることができます。

クイーンズ・ギャンビット(The Queen’s Gambit)のあらすじ

ここからはネタバレを含みますので、まだドラマを見終わっていない方は注意してご覧ください。
クイーンズ・ギャンビットは母親を自動車事故で失い、孤児となった主人公ベスが孤児院に入るところから始まります。
孤児院の管理人からチェスを教わったベスはどんどんとチェスにのめりこみ、年上の高校生を圧倒する腕前に。
その後ウィートニーさんに引き取られてからは、州や全米のトーナメントで次々と実績を残し、アメリカ代表としてロシア(当時のソビエト連邦)の強豪プレーヤー達と戦う、というのがあらすじです。
ストーリーの中心はベスのチェスゲームですが、それ以外にも母親の死、恋愛や友達付き合いなどの悩み、薬物依存、仲間との出会いなど様々な要素が絡み合った作品となっています。

クイーンズ・ギャンビットで使われる英単語を解説

チェス用語や作中で鍵となる用語を中心に見ていきましょう。

登場人物に関する英語表現

まずは、登場人物に関わる英語を見ていきましょう。主人公ベスやベスにチェスを教えたシャイベルさんに関わる英単語を取り上げます。

orphan:孤児

作中で何度も出てくるのが、「孤児」を表す”orphan”という言葉。ベスもそうですが、孤児院に入っている他の子どもたちもorphansと言われていますね。日常会話で頻出する単語ではないですが、社会問題を扱った英文などでは触れられることもありますので覚えておきましょう。

janitor:管理人

janitorという単語が、シャイベルさんのことを話す際に使われています。janitorとは管理人や門番を表しており、作中では孤児院の事務員的な立場と思われます。
janitorの語源は物事の始めと終わりをつかさどる神Janus(ヤヌス)で、始めと終わり→門を管理する→門番、のように現在のjanitorの意味が成立したと言われています。

チェスに関する用語

クイーンズ・ギャンビッドを語るうえで避けて通れないのがチェスです。ルールが分からない人でもストーリーは把握できるようになっていますが、チェス用語やチェスのシーンで使われる英単語を理解しておくことでよりストーリーに入り込めるでしょう。

grandmaster:名人

聞いたことがあるかもしれませんが、チェスの世界では名人級のプレーヤーやトーナメントの優勝者を「グランドマスター」と呼びます。作中でもバルティックやベニーのことをグランドマスターと称しているシーンが何度も見られました。
古くは修道会や騎士団の長のこともグランドマスターと呼んでいたそうなので、歴史ある言葉ですね。

fork:フォーク、両取り

これはチェス用語ですが、1つの駒で次に相手の2つの駒のどちらかを取れる状態になることを言います。
将棋で言うと、「王手飛車取り」や「ふんどしの桂」などと言われる手がありますが、チェスでもナイトでルークとクイーンの両取りをかけるなどの技法が存在しています。

castle:キャスリング

これも同じくチェス用語ですが、キャスリングという技を指し、キングがルークと入れ替わり、安全な場所に入ることを指します。
キャスリングを動詞の形にして”castle”という場面も多く出てきており、”You shoule not have castled(キャスリングするべきじゃなかった)”のように最善手を検討する場面などで登場します。

blunder:悪手、ミス

これはチェス用語ではありませんが、ゲーム中にミスをした際に”blunder”という単語が使われています。日常生活ではあまり登場しない単語ですが、しくじりやへまといった意味合いで使われることが多いです。

病気や症状に関する英語

主人公ベスは薬物依存、養母ウィートリーさんはアルコールを過剰摂取するなど、依存症や病気に関する表現が作中で何度も出てきます。
難易度の高い英単語も登場しており、一つ一つしっかり意味を理解することでストーリーの理解度が上がります。

addiction:依存症

ベスは薬物依存、ウィートリーさんはアルコール依存、というように主要な登場人物が依存症を抱えているのがクイーンズ・ギャンビットの特徴です。”addiction”は前に依存する対象を付けることで「○○依存」を表します。「薬物依存」は”drug addiction”、「アルコール依存」は”alcohol addction”のような形です。

apophenia:アポフェニア

ベスが雑誌「LIFE」の取材を受けた時に”apopheniaなのか?”という質問が登場します。
直接対応する日本語は見当たらず、そのままアポフェニアと言ってしまうのかもしれませんが、これはギャンブルやチェスゲームなどランダムな情報が流れる中から規則性やパターンを探す傾向のことを指しています。
ベスが天井にチェス盤を想像してチェスの手を考えているときなど、apopheniaの状態になっていると言えるかもしれません。

hepatitis:肝炎

ウィートリー夫人の死因となるのが”hepatitis(肝炎)”。作中では夫人がアルコールを常飲している病者があることから、肝臓に大きな負担をかけていたことが暗示されています。hepar(肝臓)とitis(炎症)が組み合わせられた単語です。

autopsy:検死

ウィートリー夫人の死に際して、検死が行われています。autopsyはサスペンスドラマや医療系のドラマなど、人の死を扱う作品では登場することが多い単語なので、他のドラマを見る際にも目にすることがあるかもしれません。

まとめ:チェス用語など主要な英単語を覚えてさらにドラマを楽しもう

クイーンズ・ギャンビットで登場する英語について、特に難易度の高い英語について解説してきました。
KingやBishopなどのチェス用語ももちろんですが、ここでご紹介したcastlingやblunder、apopheniaなどの難しい用語もしっかりと理解することでさらにクイーンズ・ギャンビットの世界を深く知ることができます。
ぜひ吹き替えだけでなく、字幕でもとの音声も楽しんでみてください。

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