『ブリジャートン家』に見る現代のフェミニズム

『ブリジャートン家』に見る現代のフェミニズム海外ドラマ・洋画で学ぶ

洋画や海外のドラマからは、英語だけでなく文化や考え方も学びとることができます。
ネットフリックスで大ヒット中のドラマ『ブリジャートン家』は19世紀イギリスの貴族の社交会を描いた物語ですが、折々に女性の権利や女性らしさを強制されない生き方が描かれています。
今回は『ブリジャートン家』をもとに現代のフェミニズムの視点を紐解いていきましょう。

女性が結婚を選び取るという選択

「結婚市場」という言葉が登場するように、ドラマで描かれている時代では「名のある貴族男性が女性を選び、結婚を申し込む」という形で恋愛・結婚が行われていました。つまりこの時代、女性にとって重要なのは自らの意志ではなく、いかにして地位や財産をもった男性に選び取ってもらうかでした。
もちろんご多分に漏れず主人公・ダフネも素敵な男性に選ばれるように様々な努力をして社交界デビューに臨みます。しかし、ダフネの結婚に強い関与を見せたのが兄・アンソニーでした。父亡き後ブリジャートン家の当主となったアンソニーはダフネのもとを訪れる男性たちを次々とはねのけ、ついにはダフネに会いに来る男性はいなくなってしまいます。
そんな状況にしびれを切らしたダフネは兄と激しく言い争い、自らの結婚は自ら決める、と意志表示を行い、最終的には自らの意志でサイモンとの結婚を決めます。
家の当主が結婚相手を決める、という時代に、ダフネが見せた「自分の結婚は自分で決める」という選択はまさに女性が自らの意思決定権を握った瞬間でした。

自分らしい生き方を探る妹・エロイーズの存在

主人公ダフネの妹・エロイーズは結婚相手を積極的に探す姉とは対照的に、社交界デビューについてネガティブな発言を繰り返しています。
また、家族に隠れて煙草を吸っているなど典型的な女性のあり方とは逆を行くキャラクターとして描かれています。
幾度となくダフネをばかにした態度をとるエロイーズですが、彼女の姿からは「女性は名家の貴族と結婚して幸せになるべき」という固定観念をはねのけ自分らしい生き方を貫き通す芯の強さが感じられます。
19世紀という設定ながら、自分らしさを曲げないエロイーズのキャラクターは私たちの目にも素敵に映ったことでしょう。

女性の性に対する考えの変化

ドラマの中で衝撃的だったシーンとして、ダフネがサイモンにそそのかされて自慰行為をするシーンは記憶に鮮明に残っているでしょう。
ドラマの設定上、結婚する前の女性は性交渉や自慰行為については教えられておらず、結婚して初めて相手と性行為をするような時代背景が設定されています。
しかし、『ブリジャートン家』ではシリーズを通して性行為や女性の生理に関する描写が多く、むしろ積極的にそういったシーンを出しているようにもとらえられます。
性に対する考え方がオープンになり、女性でも性の話を堂々とできるようになりつつある現代を反映して、制作陣はあえて性に関する表現を多く盛り込んだのではないでしょうか。

まとめ:女性たちの活躍は今後も見逃せない

第1シリーズは終わってしまいましたが、続編のうわさも出てきている『ブリジャートン家』。
今回はドラマの中に見られたフェミニズム的表現について触れてきましたが、他にも英語表現や物語の見所について発信していけたらと思います。

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