TOEIC Part2はリスニング問題の中でも高い集中力が求められます。
また、近年では難化傾向が見られるなどしっかりと対策が必要なパートになってきています。
今回はPart2の問題形式や解き方、おすすめの参考書について解説していきます。
TOEIC Part2の問題形式と配点について
まずは、TOEIC Part2の問題形式と配点についておさらいしましょう。
TOEIC Part2は、全部で25問。3択式で短い発話に対する最適な回答を選択する問題が出題されます。
問題形式はシンプルですが、短時間に大量の英語を処理するため高い集中力が要求されます。また、問題によってスピーカーが異なるため様々な英語を聞きなれていないと聞き取りにくい問題もあります。
まずは、問題形式をいくつかのパターンに分析し、その解き方を解説していきます。
問題形式別の傾向と解き方
Part2に出題される問題は、大まかに下記の6パターンに分類できます。
パターンごとに例題と気を付けるポイントについて見ていきましょう。
WH疑問文
WH疑問文とは、WhatやHowといった疑問詞からはじまる疑問文のことです。
例えば、下記のような会話がWH疑問文の典型として出題されることがあります。
A) At 11:30.
B) Yes, it is.
C) No, I don’t have time
(正解はAの”At 11:30.”)
WH疑問文の問題は、文頭を聞き取れるかが正解/不正解を分ける大きなポイントです。
疑問詞がWhenなのかWhereなのかによって正解となる選択肢は変わってくるので最初の一単語を聞き漏らさないことは非常に重要です。
Yes/No疑問文
Yes/No疑問文とは、Do you ~ ? や Are you ~ ? のように、一般的にはYesまたはNoで回答するような疑問文のことです。
例えば、下記のような問題がYes/No疑問文の例です。
A) Yes, I’d like to have coffee.
B) No, I prefer gray one.
C) Sure, you can try it.
(正解はBの”No, I prefer gray one.”)
このような応答問題ではDo youの後に来る動詞やAre youの後に来る動詞・形容詞をきちんと聞き取ることが重要です。
正解となる選択肢は、Do you の後に来る動詞に対してYesかNoかを問うような回答となる場合が多いため、動詞や形容詞を理解し、正解に結び付けられるようにしておきましょう。
否定疑問文
否定疑問文はYes/No疑問文と似ていますが、Don’t you ~? や Haven’t you ~ ? のように動詞が否定形になっているような疑問文です。
例えば、下記のような問題が否定疑問文の例です。
A) Yes, I heard that news report on TV.
B) No, I didn’t have time last week.
C) No, I don’t like taking the exam.
(正解はBの”No, I didn’t have time last week.”)
否定疑問文の対策ポイントは基本的にYes/No疑問文と同じで、動詞や形容詞をしっかりと聞き取ることです。
「否定」が入っているとはいえ、本質はDo you ~ ? や Are you ~ ? の疑問文と同じ。
日本語では「○○じゃないですよね?(例:お腹がすいていませんよね?)」という質問に対して「はい」と答えると「○○じゃない(お腹がすいていない)」という意味になります。しかし、英語の文法は日本語と異なり、”Aren’t you hungry?”に対して”Yes”と答えると「お腹はすいている」ということになります。
つまり、Do you ~ ?とDon’t you ~ ?、Are you ~ ? とAren’t you ~ ? では、Yes/Noは変わらないことが分かります。
このため、しっかりとYes/No疑問文の対策ができていれば否定疑問文についても対処ができるでしょう。
選択疑問文
選択疑問文はWhich ~ ? や A or B ? といったように2択や複数選択肢の中から相手に選ばせるような質問のことです。
例えば、下記のような問題が選択疑問文の例です。
A) Sure, he will be happy with the result.
B) I cannot run that restaurant by myself.
C) I’d like to order a pizza delivery instead.
(正解はCの”I’d like to order a pizza delivery instead.”)
選択疑問文の問題では、正答となる選択肢に”prefer”や”rather”など比較の意味を持つ単語が含まれていることがありますので、そのようなキーワードを探しながら聞いていくと正解を選びやすいでしょう。
付加疑問文
付加疑問文とは、普通の文章の末尾にaren’t you? や don’t you? などのフレーズを付け加えることで疑問文になっているような文のことです。
例えば、下記のような問題が付加疑問文の例です。
A) Yes, he is in charge of ticket selling.
B) I thought you will buy the ticket.
C) I will take a photo.
(正解はBの”I thought you will buy the ticket.”)
付加疑問文は平叙文と間違いやすいですが、必ず最後に疑問の意味を含むフレーズが使われているので文末を聞き逃さないようにしましょう。
文末の疑問文を聞き取ることができていれば、それに対して回答している選択肢を選ぶだけで正解となります。
平叙文
平叙文とは、疑問詞を含まない通常の文のことです。一例として、下記のような問題が挙げられます。
A) He has got promoted yesterday.
B) No, he don’t take this train.
C) He lived in New York for 4 years.
(正解はAの”He has got promoted yesterday.”)
このように「○○だね」という描写に対して「それは○○だからですね」や「私も○○です」のように会話の応答が行われるパターンが良く出題されます。
Part2の間違えやすいポイントと対策方法
Part2を対策するうえで重症なポイントを解説していきます。
下記で紹介している4つのポイントを意識すれば、Part2で満点を取ることも可能となるでしょう。
最初の一単語を必ず聞きとる
Part2で最も重要なのは、「最初の一単語」です。なぜなら、最初の一単語が質問の内容を理解するのに絶対に必要だからです。
上で紹介したように、Part2では様々な文章が登場しますが、7~8割の問題では疑問詞が文頭に来ています。
“What”、”Where”、”When”など文頭に来る疑問詞を理解することができれば、その後の文が完全に聞き取れなくても質問の意味は大体理解できます。逆に、最初の一単語を聞き逃してしまうと正解を選びにくくなってしまいます。
例えば、WH疑問文でご紹介した以下の文も、”When”が”Where”に変わるだけで正解となる選択肢が変わってきます。
(あなたの電車はいつ来ますか?)
↓↓
Where will the train arrive?
(あなたの電車はどこに来ますか?)
このように疑問詞を聞き間違えると正解を選ぶのが難しくなってしまうため、最初の一単語を聞き取ることに集中力を注ぎましょう。
似た発音を間違わない
Part2の選択肢では、不正解の選択肢の中に、問題文と似た発音の単語が紛れ込んでいることがあります。
A) Which one do you want?
B) The printer is out of paper.
C) I’ll answer the door.
(正解はAの”Which one do you want?”)
例えば、上の問題ではAの選択肢が正解ですが、Bの選択肢の中に疑問文の”newspaper”と似ている”paper”が含まれています。
このように、紛らわしい発音を入れて受験者を惑わそうとしてくる問題がありますが、落ち着いて対処しましょう。
先ほど「最初の一単語をしっかり聞き取る」という鉄則をご紹介しましたが、似た発音の単語は明らかに間違っている選択肢に含まれていることが多いです。最初の一単語から何が聞かれているかをしっかりと理解し、発音に惑わされないようにしましょう。
ひっかけ問題に注意する
Part2で近年増加しているのが、いわゆる「ひっかけ問題」。質問に対して真正面から答えず、間接的な回答や予想と違う答えが返ってくる場合が多くなっています。
例えば、先ほど挙げた以下の問題はひっかけ問題の一例です。
A) Yes, he is in charge of ticket selling.
B) I thought you will buy the ticket.
C) I will take a photo.
(正解はBの”I thought you will buy the ticket.”)
質問の中では「2人分のチケットを買った?」と聞かれているのに対して、「あなたが買うと思っていた」と返しています。
このように、聞かれたことに対してYes/Noで答えずに違った答えを返すパターンが頻出します。
もちろんYes/Noで答えている問題も多く存在しますが、最初からきれいに答えが返ってくることは期待せず、先入観を持たずに選択肢を聞いて吟味しましょう。
疑問文じゃない場合にも備える
Part2では大半が疑問形の文章ですが、たまに通常の会話文のような応答問題も出題されます。一例としては、先ほど挙げた平叙文の問題が挙げられます。
A) He has got promoted yesterday.
B) No, he don’t take this train.
C) He lived in New York for 4 years.
(正解はAの”He has got promoted yesterday.”)
このような問題について対策するためには、様々な会話のパターンで問題をこなしておくことがおすすめです。
平叙文の対策はPart2をやりこむというより、Part3の問題を聞きこむといいでしょう。Part3では疑問文を含む会話もありますが、会話文の中で平叙文でやり取りをしている音声も多数聞くことができます。
Part3の対策と合わせてしっかりと通常の会話を聞き取れるように練習しておきましょう。
TOEIC Part2対策におすすめの参考書
リスニングの点数を上げるには、本番と同じ音声を聞くことができる公式問題集を使って対策するのが最も近道。
まずは公式問題集を解いてみて実力を把握し、その後対策を立てていくといいでしょう。
公式問題集はこちらから購入可能です。
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まとめ:問題を数多くこなし、集中力を高めて試験に臨む
Part2は一見簡単な問題が多いように見えて、上級者でも油断すれば簡単に間違えてしまうこともあるパートです。
問題を多くこなしてパターンを理解するとともに、実際の試験と同じ形式で演習を行い、集中力を保つ訓練も行うといいでしょう。
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