英語の資格取得を目指して勉強をしている方は多いでしょう。
TOEIC〇〇点、英検○級、など明確な目標を設定することでモチベーションになったり、取得した資格を就職などに活かすこともできるため、資格試験の合格・取得を目指すメリットはたくさんあります。
しかし、英語の資格と一言に言っても試験内容はさまざま。自分の目的に合った試験を選べるように、今回は英語の試験の種類について解説します。
メジャーな資格からマイナーなものまで、網羅的にご紹介します。
英語の4大資格とは:TOEIC・英検・TOEFL・IELTS
まず、日本で4大資格と言われているTOEIC・英検・TOEFL・IELTSについてご紹介します。
この4つの試験は目的やテスト形式の違いはあれど、国内ではとても有名なため、学校や職場で英語レベルの話をするときに参考になるでしょう。
学校では英検が推奨されていたかと思いますが、ビジネスではTOEIC、アカデミックではTOEFL・IELTSといったように役割が違います。
それぞれの違いについて見ていきましょう。
TOEICの特徴:ビジネス英語の読む・聞く能力を測るのに最適
高校までの英語ではあまり耳にすることがないかもしれませんが、大学生・社会人になってからはTOEICの受験が推奨されます。
TOEICというと、一般的にはリーディング・リスニングで990点満点の試験を指すことが多いですが、実はスピーキング・ライティングの試験もあり、そちらは400点満点となっています。
TOEIC(リスニング・リーディング)では、主にビジネスシーンにおける英語の理解度について問われます。
例えば空港でのアナウンスを聞いて次にやらなければいけないことを把握したり、新聞記事を読んで情報を汲み取るなどの能力が試されます。
就職試験でもTOEICの点数を聞かれることがあるため、高得点を持っていれば就職で有利になることもあるでしょう。
英検の特徴:バランスよく四技能を測ることができる
日本に住んでいる方ならば、英検は最もポピュラーな英語資格かもしれません。英検は5級〜1級まで多くのグレードが用意されており、試験内容も四技能(注:4級以下はスピーキングはなし)のバランスが取れたものになっています。
試験時間は級によって異なりますが、筆記試験が1時間〜2時間半程度と面接が10分程度となっています。
英検は知名度が高いため、準1級や1級を持っていると周りから「英語ができる人」と認定されることも多いでしょう。
TOEFLの特徴:アメリカ発のアカデミックな試験
TOEFLはアメリカで誕生した資格試験で、主に北米圏の大学留学に際して語学レベルを確認するのに使われます。
アメリカ英語でアカデミックな内容も出題される試験です。
試験はリーディング・リスニングがそれぞれ1時間程度、ライティングが50分程度、スピーキングが20分程度とかなり長時間を要します。
現在ではコンピュータでテストを受けるCBTという手法が主流ですが、昔は紙(PBT)で行われていました。
ライティングはコンピュータにタイピングしたり、スピーキングは音声を吹き込んだりすることから、普段コンピュータに触り慣れていない人は受験方法に戸惑うかもしれません。
IELTSの特徴:イギリス発のアカデミックな試験
IELTSもTOEFL同様にグローバルで通用する英語試験の一つです。
TOEFLと違う点といえば、イギリス発の試験である点、またイギリスだけでなくオーストラリアやカナダなど他の英語圏の地域も意識して作られている点にあります。
リーディングが60分、リスニングが30分、ライティングが60分、スピーキングが15分程度とこちらも長時間の試験となっています。
IELTSの場合、コンピュータでの試験か紙での試験かを選ぶことができるため、自分の慣れた方法で試験に臨めます。
スピーキングも実際の試験官と行うため、話しやすい方もいるかもしれません。
IELTSのライティングの採点はとても厳しいことで有名です。ノンネイティブはおろか、ネイティブですら満点を取ることは難しいと言われています。
4大資格以外の英語資格
ここまでご紹介した4大試験以外にも、英語の試験は数多く存在します。英検やTOEICを取った方の次のステージや、自分の興味関心の延長としてこれらの資格試験に挑む方も多いようです。
4大資格に比べると知名度はいまいちですが、4大試験よりも難易度は高いものも存在するため、目的に合わせて最適な試験を選んでいきましょう。
国連英検
国連英検はその名の通り国連の関連団体が管轄している試験で、国際協力や国際関係における英語コミュニケーション能力を測る試験です。
E〜特A級までのグレードがありますが、A級・特A級は難関として知られています。
試験では英語の運用能力はもちろんですが、国際連合の活動や時事問題に対する知識も問われるため、単に英語ができれば合格できるわけではありません。
普段から国際情勢をウォッチし、自分なりの考えを発信することが試験合格の鍵と言えます。
ケンブリッジ英検
ケンブリッジ英検もグローバルで採用されている試験の一つです。
CEFRという欧州の言語習得の基準によって受験者の英語力が判定されます。
A1〜C2という6段階で評価され、自分がどれくらい英語を使いこなせるのかをグローバル基準で見ることができます。
最上級にあたるC2は英検1級やTOEFLで高得点を取る人でも難しいと言われています。
C1やC2のクラスになると、リーディング・リスニングそれぞれ1時間半、リスニング40分、スピーキング約20分といった長い時間の試験が行われます。
GTEC
GTECはベネッセコーポレーションが提供するテストで、高校生向けの試験が広く知られていますが、社会人向けや小学生・中学生向けのテストもあります。
高校生向けのテストでは、中等教育で学習する範囲の内容を中心に英語の理解度を把握するための問題が出題されます。学校で団体で受験させられることもあるでしょう。
高校の定期テストのように明確な試験範囲が決まっているわけではありませんが、高校で習得しておくべき基本的な文法や長文読解について出題されます。
TEAP
TEAPは英検の運営元である日本英語検定協会と上智大学が共同開発したテストで、大学教育レベルのアカデミックな英語力を測定するテストです。
試験内容は四技能をバランスよくテストする方式で、リーディング70分(択一式)・リスニング50分(択一式)・ライティング70分(記述式)・スピーキング10分(面接またはコンピュータに録音)となっています。
特徴としては日本人が苦手としているライティング・スピーキングもしっかりとカバーされていることが挙げられます。
英単語検定
英単語検定は他の検定とは異なり、「英単語」に焦点を当てた試験です。長文読解やリスニング・ライティング・スピーキングは出題されません。
純粋な語彙能力を測る試験であるため、出題形式もとてもシンプルで取り組みやすいものとなっています。
試験時間は35分と短く、マークシートの択一式というシンプルな形式です。
それほどメジャーな試験ではありませんが、自分の単語レベルを測るのには最適な試験であるため、英検やTOEICと並行して受験してみるのもいいでしょう。
英語に関連する資格
上記でご紹介した資格試験以外にも、他の分野と英語が関連する試験がいくつかあります。
下記でご紹介する試験では、英語×専門分野という形で能力が問われるため、英語の運用能力だけでなく、専門分野を掘り下げることも大切になってきます。
今回は、日本で比較的有名な通訳案内士やUSCPAといった試験についてご紹介します。
通訳案内士
通訳案内士は英語能力だけの試験ではありませんが、英語の関連資格として有名です。
実際には地理や歴史などの一般常識、口述試験にも合格しないと通訳案内士の資格は取れませんが、英語の占めるウエイトは大きいです。
なお、英検やTOEICで所定の成績を収めた人であれば、英語の筆記試験が免除になるメリットがあります。
USCPA(米国公認会計士)
USCPAも英語が必要な資格の一つです。試験で問われるのは会計の知識ですが、問題が英語であるため、会計知識を英語でインプット・アウトプットできる力が必要です。
ただし、英語で長々と論述するような問題は出ないため、会計に関する英単語がわかる、問題内容が読み解ける程度の英語ができれば大丈夫とも言われています。
USCPAは根気強く取り組む必要があるため、会計の知識をつけると同時に英語の読解能力も鍛え、試験に臨みましょう。
まずは4大試験を受験してみよう
様々な英語・英語関連の資格をご紹介してきましたが、まずはメジャーな4大試験を受験してみることをお勧めします。
どの試験も問題の質が安定しており、学習法や参考書も多数販売されているからです。
特にビジネスパーソンであれば、受験料が比較的やすいTOEICから始めてみるのもいいでしょう。リスニングとリーディングが試験内容になるため、他の試験と比較して対策も立てやすいです。
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