“death penalty”と”capital punishment”の違いとは?

death penaltyとcapital punishmentの違いとは?英語分析

ある日、英語の文章を読んでいて気づいたのですが、「死刑」には2通りの言い方があります。”death penalty”と”capital punishment”です。
どちらも同じ意味なのに、なぜ2種類あるのか、どのような使われ方をされているのか、気になった点を調べてみました!

“death penalty”と”capital punishment”の違いとは

“death penalty”と”capital punishment”はどちらも「死刑」を表す単語です。
とあるQ&Aサイトには、「”death penalty”は死刑を宣告された人に対して使われる」「”capital punishment”は死刑の執行のことを指す」というふうに書いていますが、他のサイトでは同義語と言われていることもありました。
また、ウェブスターで”death penalty”を調べてみると、下記のような定義がありました。

death as a punishment given by a court of law for very serious crimes : capital punishment

やはり同義語のようですね。そこで、NgramViewerというGoogleが提供しているツールを用いて、この2つの単語がどのくらい使用されているのかを見てみました。

“death penalty”と”capital punishment”の使用回数の分析

NgramViewerでそれぞれの単語がどのように使われているのかを調べた結果がこちらです。
赤が”death penalty”、青が”capital punishment”の使用数を表しています。
death penaltyとcapital punishmentの使用数

このグラフから、1800年~1910年位までは”capital punishment”の使用数が多く、それ以降は徐々に”death penalty”の方が使われるようになっていったということが読み取れます。
特に、2000年代に入ってからは”death penalty”が使われる回数がぐんと増え、”capital punishment”はそれほど使用数が増えていません。
具体的に、2000年代に”death penalty”が使われている書類を見てみると、社会学者や政治学者が書いている書籍などが上位に上がってきており、死刑に関する議論が盛んに行われるようになってきたのにつれて”death penalty”の使用が浸透してきたのではないかと考えられます。
しかし、地域による使用数の違いを見てみると、面白いことがわかりました。

イギリス・アメリカでの使われ方の違い

NgramViewerでは、地域を絞った分析もできるようになっています。イギリスとアメリカで使われ方の違いを比べてみると、面白い違いが発見されました。
まずは、イギリスでのグラフがこちらです。
イギリスのdeath penaltyとcapital punishmentの使用数
グラフを見てみると、”capital punishment”の使用数は徐々に減ってきていますが、全体と比較して使用数は多く、1970年頃までは”death penalty”と拮抗していたことがわかります。

次に、アメリカのグラフを見てみましょう。
アメリカのdeath penaltyとcapital punishmentの使用数
こちらは全体のグラフと似ていますが、より”capital punishment”の使用数が少なく、”death penalty”が圧倒的に使われていることがわかります。

このグラフから予想されることは、1900年代前半からアメリカでの”death penalty”の使用が増加を見せ、全体の中でアメリカの占める割合も多いため、全体の使用数としても”capital punishment”と差が開いてしまっているのではないかということです。
1900年代はアメリカの人口が飛躍的な増加を見せた時期ですが、その間イギリスの人口はアメリカほど増加しておらず、アメリカの人口の伸びとともに”death penalty”の使用がより定着したのでしょう。

文書の種類でも使われ方は異なる

また、どのような文章に”death penalty”と”capital punishment”が使われているかを見ることも背景理解の役に立ちます。
“capital punishment”は、政府の公文書や裁判の資料など、正式な文書に記載されていることが多い傾向にありました。
一方で”death penalty”は正式な文書もありましたが、比較的カジュアルな書籍にも使われており、やはり”death penalty”の方がよく使用されるようです。
やはり、”death(死)”という単語のイメージから、”death penalty”を使用すルノが一般的になっているのでしょうか。
単語の使われ方一つとっても、統計データからいろいろなことが分かります。今後も様々なデータを分析し、英語をより深く理解していきたいと思いました!

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